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THE SOUND OF CADENCE Vol.71 (January 2010)

煩わしいECOをバッサリ削減!
Encounter Conformal ECO DesignerポストマスクECO機能のご紹介

Encounter Conformal ECO Designerは、これまで手作業で行っていたECO作業を自動化するツールです。この自動化により、これ まで煩わしかったECOの作業を劇的に軽減することができます。2009年10月にリリースされたバージョン9.1では、ポストマスクECOにおけるスペアセルおよびゲートアレイ・タイプの領域に対するマッピング機能を搭載し、より広範なケースに対してECOを効率的に実現できる設計環境を提供できるようになりました。ここではバージョン9.1よりEncounter Conformal ECODesigner GXLで正式サポートされたポストマスクECOにおけるソリューションを紹介します。

ポストマスクECOにおける課題
チップの大規模化・複雑化および開発の短TAT化に伴って、機能ECO(Engineering Change Order)を行う機会は増大しています。なかでもポストマスクにおけるECOは、設計者および管理者にとってストレスが多く、長い作業時間を要しかつ不確実性の残るものです。論理変更がネットリスト内で実装されるとしても、変更を行うのに十分なスペアゲートがマスク上に存在しないかもしれません。ECO実装に対してより良い手法が必要とされています。
 ECOの処理に対する従来のフローは、製品が動作するかどうかの不確実性をいくらか低減するかもしれませんが、それらは今なお手作業による処理で、一般的に正しい実装を実現するために多くのサイクルを必要とします。そしてECOによってネットリストに実装された論理変更が、物理ネットリスト内で正しく実装されているかどうか保証がありません。もしECOがメタル・レイヤのみの変更で実装された場合、コストは大きく削減されることでしょう。トライ&エラーによるスケジュールの延長で時間を無駄に浪費するよりも、実装の可能性を早期に知ることによって、設計チームは、計画の変更を最小限にした有効な解決策を検討することができます。

ポストマスクECOにおけるスペアセル・マッピング機能
特徴
Encounter Conformal ECO Designerは、古いデザイン・ネットリスト(G1)と新しいデザイン・ネットリスト(G2)との差分を判別するECO解析エンジンを内蔵し、デザイン全体またはデザイン階層内の特定のデザイン上でECO解析を行うことができます。ECO解析のステップが完了すると、Conformal ECO Designerは、古いネットリストに新しい機能を実現するために必要なネットリスト修正を行います。その結果、ECOネットリスト(G3)が出力されます。
上記のECO解析に加えConformal ECO Designer GXLは、DEF、LEF、Cap-table、Libertyライブラリ、そしてSDFを読み込 み、ECO論理をスペアゲートに最適に割り当てることができます。マッピング・エンジンはタイミングおよびスペアゲートの配置位置を考慮し、設計者に設計の早い段階でECO実現の可能性を検討する機会を与え、レイアウト作業を効率化します。またConformal ECO Designer GXLは、論理変更により使用されなくなったセルの再利用も可能です。出力はECOネットリスト(G3)、およびスペアゲートのマッピング・ファイルになります。このマッピン グ・ファイルは、レイアウト・ツールに新たに追加された論理をどのようにスペアゲートでマッピングするかを指示します。
図1:ポストマスクECO処理フロー

ポストマスクECOにおけるスペアセル・マッピングでは、以下の機能を実現します。
ECO論理のスペアセルへのマッピング
スペアセルの物理配置の考慮
消スペアセルのリソース・レポートの出力
レイアウト・ツールへのマッピング・ファイルの出力

利点
マニュアルによる作業の最小化と、時間を浪費するイタレーションの削減による大幅なTATの改善を提供
ポストマスクにおいて、ECO実現の可能性を早期に見積もり可能
設計者に生産性を改善させ、メタルのみのレイヤのECOを行う際のフレキシビリティを提供して、マニュファクチャリング・コストを削減
数百万ゲート規模のデザインの検証に対して、従来のゲート・レベル・シミュレーションに比べ検証時間を大幅に削減
独立した検証テクノロジを通じて、クリティカルなバグの見逃しのリスクを削減

このように、Encounter Conformal ECO Designerは、バージョン9.1からより信頼性の高いECO環境を提供します。

カスタマ・プラットフォーム・マーケティング部
瀧野 晶夫