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2010年を迎えて

2010年の年頭にあたり謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年が皆様にとりまして、良い年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

WSTS(世界半導体市場統計)は、2009年の半導体の世界市場を対前年比11.5%減となると予想し、2年連続した減少となるものの、2010年は、成長軌道に戻り12.2%増になると発表しました。この予想は、エレクトロニクス業界にとっては、嬉しい予想ではありますが、現在の日本経済全体は緩やかなデフレ傾向にあり、景気の下押しが警戒されています。本格的に消費が回復しない中にあって、各企業においては、引き続きコスト削減を含む経営改善努力が行われている事と思います。デフレがもたらすビジネスの縮小をできるだけ回避し、将来に続くビジネスの萌芽を生み出すには、あらゆる点においてイノベーションを推進していくことが必要になります。

イノベーションは、必ずしもこれまでにない全く新しい技術だけを指すとは限りません。オーストリアの経済学者、シュンペーターは、イノベーションをもっと大きな概念でとらえ、「新しいやり方」がイノベーションであると定義しています。つまり、今あるもの、例えば既存の技術などの新しい組み合わせによる価値の創造がイノベーションを生み出すと言っています。日本は、半導体の微細化技術をはじめ、環境技術、社会インフラなど優れた技術を数多く生み出しています。日本がこれまでに蓄積してきたこれらの優れた技術を有機的に結合して、次世代のエレクトロニクスを牽引するような魅力ある技術分野を拓くことにより、技術立国として再び世界をリードして欲しいと願っています。

次世代のエレクトロニクス産業を牽引する製品には、SoCの開発が欠かせません。ケイデンスは、次世代SoC設計生産性向上のための鍵となる新たな戦略を策定しました。この戦略を構成するものは、「迅速なSoCインテグレーション」、「インテグレーション・レディ(integration-ready)なIP」、そして「オープンなIPへのアクセス・利用とサービス」です。この戦略は、SoCのプランニング、検証IPをベースとした漏れのない検証環境の構築、TLMやDFTさらにはDFM向けモデルの完備、そして最適なIPを選択するためのオープンなIPへのアクセス環境など、様々なソリューションを提供し、大規模SoC開発の短縮化、コスト削減、および高品質化の実現を支援ものです。ケイデンスは、お客様の製品設計において、予測性、生産性、そして信頼性を高めるためにEDAサプライヤとして重要な役割を果たしていくことを使命としており、この戦略の展開により、お客様が直面する現在および将来の課題にお応えし、お客様のビジネスの成功に寄与できるよう、これからも活動していきたいと思っております。

本年も倍旧のお引き立てを賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社 社長
川島良一